給料は個人のスキルではなく市場価値で決まる
30代前半だった俺は大学生並みに甘い考えをしていた。
「今伸びているエンジニア業界で、スキルを磨いて会社に貢献できるようになれば、人並みに稼げるようになるはずだ」
高給取りがいる成長産業でのし上がっていくぞと思い、毎日朝まで勉強を続けた。
その結果、現在はプログラマーのバイトとして時給1200円(手取り15万)で働いている。
何故このようなことになったのか?
会社は「この人がどれだけ貢献してくれるか」より「この人がどのくらい市場価値があるか」で判断し、雇用形態や役職といった制度で簡単に差別してくるからだ。
スキル=市場価値ではないということについて
俺は今、バイト先でもかなり貢献度が高いと思っている。
バイトでありながら若い社員から技術的な質問をされることも多いし、フレームワークの選定、見本となるサンプルプログラムの作成、顧客へのメール作成といったこともやらされている。
顧客からへのメール作成とは、社員エンジニアから「こんなメールが顧客から来たけどどう返答すればいい?」と丸投げをされるので、それに対応するという内容だ。
社員はSEOやデザインの知識がある人が皆無なので、その部分を俺が担っている。
開発スピードも早いし、少なくとも社員たちよりは貢献しているつもりだが、給料は上がらない。
それは市場価値が、能力1割、経験3割、年齢6割で決まるからだ。
俺は35になるまで、ひたすらルーティーンワークしかやってこなかったため、業務経験が多いとは言えない。更に言うと業務経験があっても年齢が高いと言うだけで企業に敬遠される。
雇用形態というのは完全に差別行為
どう考えてもクズ若手社員より俺のほうが会社に貢献しているのに、圧倒的に給料が安いのは納得がいかない。
「でも正社員は売上に対して責任を負っているじゃん?お前はアルバイトだから」
という反論はあるかと思うが、うちの会社は個人のフリーランスに業務委託をやっていて、そちらは時給4000円以上を払っている。
業務委託でやっている人と俺はほぼ同じことをやっているし、責任範囲も同じだ。
むしろ俺のほうが社員の質問に答えなければいけなかったりするし、その業務委託のやつより難度が高い部分を担当している。
だが俺は1200円で、フリーランスは4000円だ。
それは俺がアルバイトで、フリーランスが個人事業主だからだ。
「アルバイトはこのぐらいの賃金でいいだろう」「フリーランスはこのくらい払わないと仕事を発注できない」という世間の基準に無理やり当てはめられている。
バイトで、リーダーをさせられたり責任ある仕事をさせられている人が時給1000円とかも同じ理屈だろう。
市場価値が低いとしがみつくしか無い
俺は現在のバイト先に至るまで、ひたすらアルバイトを落とされ続け、ホームレスも経験したことがある。
前述したとおり市場価値がないからだ。
手取り15万円では貯金もできないため、現在のバイト先を辞めることは出来ない。バイトだから雇用保険もないので。
そしてバイトをしていても業務経験はたまらないので、年齢によってさらに市場価値は落ちていく。
結局、どれだけ搾取されていたとしても続けるしか無い。
これが理解できないのは、バイトすら受からないという状況を経験したことがない優秀な方なのであろう。
抜け出せない→市場価値がさらに下がる→差別された雇用形態でしか働らけない→更に市場価値が下がる
というループに陥っている。
市場価値が年齢や業務経験にウェイトを置いている状況が変わらない限り自分だけで打破することも出来ない。
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