インセル、非モテは無限に苦しみ続ける
35年間生きてきたが、彼女ができたことは一度もない。
むしろ女友達というものができたことがない。クラスの女子達には気持ち悪がられていただろうし、社会人になってからは周りに年の近い女性がいなかった。
一方で複数回女性と付き合ったことのある男性もいる。不倫をしている男性もいる。
絶望的な人生格差を感じて、いつもイライラしながら過ごしていた。そんな時、ネットでインセルという単語を知ることになった。まさに自分の境遇に合致していたので、色々と調べてみた。
インセルとはなにか
インセルとは日本ではあまり聞き慣れない言葉だ。
意味を調べてみたが、一言でいうとすると「彼女がほしい非モテ」だと思った。
以下のBBCの記事で色々と解説されているのだが、「不本意の禁欲主義者」と定義されている。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-44153194
望んだわけでもないのに禁欲状態にある → 世間のどんな女性からも敬遠される存在。つまり非モテということになる。
ただ非モテの中には、「俺はモテなくても良い」と考えて諦めている人間が一定数いる。この諦めている連中は、女性やモテる男性への憎悪や執着がない。
インセルに当てはまらないと思ったので、単なる非モテではなく「彼女がほしい非モテ」が適当かなと考えた。
インセルに共感できると思った点
自分は彼女いない歴=35年のキモ男だが、インセルに完全に共感しているわけではない。共感できないのは、インセルは自分達のことを愛さない女達(ステイシー)に対して、「俺を愛さないのはおかしい」と憎悪を持っている点だ。
俺はインセルよりも客観的に自分を見れるから、「俺が女だったら、絶対に俺のことキモいって思うよな」と考えてしまう。故に俺のことを愛さない女性たちのことは憎まないし、当然の行為だと思っている。
恨んでいるとしたら、こんなモテないキモい人間に生まれてきてしまった自分の運命だ。こんな遺伝子で生まれてきてしまったことに対して怒りを覚える。
一方、インセルたちは「モテる男性(チャド)とインセルは根本的に違う」という考えを持っており、自分は先天的にモテない運命だと確信している。
この点については大いに同意する。
俺は、「努力すればモテるようになる」という人たちを信じて、月収20万未満の家計でありながら色々と自己投資してきた。
- マッチングアプリの課金
- 有料セミナー、読書での勉強
- 年間30万円払って肌の治療
- スタイリスト同行サービスでおしゃれな服を揃える
- 毎日筋トレ、ジョギングで体重60キロをキープ
- 疑似デート体験
でも結果は0だった。金と時間を大幅に無駄にした。
一方で全く努力せずに可愛い彼女をゲットし、2人仲良く道を歩いている奴らもいる。抗いがたい不公平感を感じる。
インセルは不公平感を憎しみに昇華させていると思うが、俺はただ無力感に押しつぶされそうになっている。
インセルは何故世間に対して復讐するのか
PRESIDENTの記事でインセルは何故犯罪を起こすのか考察がされていた。
https://president.jp/articles/-/48969?page=2
インセルに話を戻すと、彼らは女性を自分と対等な人間だと思っていない。だから「女のくせに、俺を拒絶しやがって」「女のくせに、幸せそうにしやがって」「自分の思い通りにならない女が憎い、そんな女に復讐してやる」と憎悪をつのらせるのだ
https://president.jp/articles/-/48969?page=2
インセルは女性のことを、自分より下の存在だと見ており、自分を不当に扱うことは許されないという感情を持っているという考察をしている。
個人的には、本当は「女性が憎い」というのは自分を正当化するために考えた理由であって、本当の動機ではない。本当は助けを求めていたんじゃないだろうか。
前述したとおり、「どんなに努力しても非モテから抜け出せない」という経験を俺もしてきている。非モテは絶対に勝てないと悟った時、この不公平なルールが壊れない限り救われないと考えるようになった。
ありえないと思いつつも不公平なルールを誰かが壊してくれることを期待している。
インセルの犯罪者も自分の境遇に共感した誰かが不公平なルールを壊してくれると期待したのではないか。世間にインパクトを与えたのは、自分のヘルプメッセージを世間に伝えるためだったと感じる。
インセルに対する解決策
しかし、インセルがどれだけ世間のルールを壊したいと願ってもそれが叶うことはない。
ではインセルはどうすれば幸せになれるのか。色々と考えてみたが、インセルが救われる道はないと思う。
よくある意見として、「独身=不幸は時代遅れ」「幸せは人それぞれ違う」というものがある。しかしこれはインセルには当てはまらない言葉だ。前述したが、インセルはただの非モテではない。
俺もインセルたちも、結婚したくないからしないのではなく、人から愛されたいと渇望している。自ら望んで一人になったわけではなく、どうしても手に入れたいと思い努力している。
でも才能の差が立ちふさがってくる。
勝負し続ければ無力感で絶望するだけだし、諦めたとしても劣等感が消えることはない。
おそらく解決するには女性と付き合うこと以外にないと思われる。しかし、それが不可能だから悩んでいる。絶対に抜け出せないこの迷路を俺もインセルも一生彷徨わなければいけない。
ディスカッション
コメント一覧
この文章がどっかのサーバーに埋もれて消えるのは犯罪に近い。インセルども、共感して涙しろ。
この文章は価値がある。
僕は、陰でどう思われていたかはわかりませんが、表面的にはキモいとは思われていないようでした
女子に容姿を揶揄されるようなことも多少はありましたが、小学校くらいまでで、それからはいないものとして扱われてきました
高校くらいになると、告白したりしなければクラスメートであっても赤の他人として不干渉でした
赤の他人である僕からすると話をするのもきっかけや理由が必要でした いずれも見つからず、共学なのにほぼしゃべらずに終わりました 当時はまあそんなものかと思っていましたが、ある程度の年齢になってこちらのページに検索でたどり着いている事実を鑑みると、「これでよかったのか、他の選択肢はなかったのか」という思いはありますが、では何ができたかというと何も思い浮かばないのでこれから穏やかに生きていくことが一番だと思っています